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高校教員が何故iOSアプリをリリースしたのか

先日Twitterを見ていたら堤さんのサロンの方がアプリをリリースしたらしいと知りました。noteも書かれており現役の高校教員がSwiftを学習していく中でアプリをリリースするに至ったとのこと。色々と聞きたいことがあったので、今回は直接コンタクトを取ってインタビューしてみました。

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自己紹介

oka
三重県在住で工業高校の教員をしている岡 優志(32歳)です。主に電気の分野を教えています。家の配線工事のようなものから(強電)、半導体(弱電)までを教える位置づけにいます。また、キャリア教育を推奨するという役割を持っていて、生徒たちが学びたい知識や技術が学校内にあるケースとないケースがありますが、ないケースの場合は企業にアポを取って指導をしてもらえないかとお願いして、企業と学生を繋ぐ仕事していて、今はこちらをメインに行っています。
インタビュアー
電気関係を教えているということはご自身も学生の頃に電気関係を学んでいたということですか?
oka
そうですね。工業高校の電子機械科出身でロボティクスをやる関係でC言語を学んでいたことはあります。大学ではCOBOLをやっていたこともありました。が、学生だったので積極的に自分から学ぶというよりは受け身な感じでしたね(笑)
インタビュアー
そこから何故自分でプログラミングを勉強しようと思ったんですか?
oka
キャリア教育を推奨していく中で外の企業から技術者を毎回呼ぶというのが難しくなってきて、それなら自分で勉強して教えたいなと思ったことがきっかけです。そこで生徒に何のスマートフォンを持っているかのアンケートを取ったところ93%がiPhoneでした。その結果を受けてそれまではWindowsとAndroidだったのが、MacとiPhoneに買い換えて勉強を始めることにしました。
インタビュアー
今は生徒さんにプログラミングを教えたりもしてるんですか?
oka
授業でクラスを持っているわけではないですが、部活動(物づくり研究同好会)の中でやりたいという子がいるので教えたりはしています。そこではプログラミングの共通部分を最初に教えて、それぞれやりたいことがごとに特性があるので、そこについてはこういう記事が役立ちそうだとシェアをしたりして一緒に進めています。部活動についても最初はなかったので、学内で相談して部活動を立ち上げ、機材なども無かったので、地元の様々な企業と交渉して出資して頂いて色んな機材を充実させることができました。

ターニングポイント

25歳ぐらいの頃に学生をインターハイで優勝させ、県でも優秀な指導者として表彰されるなど結果を残すことができたんですが、年配の方との確執が生まれてしまい辞めてしまった経験がありました。そこからは乾いた状態で粛々と仕事をこなすだけの日が続きました。
そんな中で生徒にプログラマーの実態を知ってもらうために外部の方に講師をお願いしようということになり、Twitterで知り合った堤さんに講師をお願いすることになりました。

講演をやるにあたってどのような内容がいいのか打ち合わせを重ねていく中で、面白い職業だなと思いました。講演を聞いて更に興味を持つようになり、実際に勉強しようと思った最初のきっかけでした。堤さんの話を聞いていく中で、パソコン1台でどこでも仕事ができて、自分の力で試せるという仕組みが面白いなと思ったので自分の残りの人生をそこに投下するというのは面白いんじゃないかと思いました。生徒のために呼んだ講演だったんですが、一番影響を受けたのは自分かもしれませんね(笑)

アプリをリリースするまで

インタビュアー
堤さんの講演を受けてからご自身のアプリをリリースするまではどのような活動をしてましたか?
oka
昨年の10月ぐらいからTwitterと、プログラミングの勉強を始めました。自分自身でも勉強はしていたのですが、先日講演を聞いた堤さんがオンラインサロンを始めるというのを見て、入会することで更に勉強をするための環境に身を置くことにしました。

すごいエンジニアの方が集まるのかと思ってビクビクしていました(笑)もちろんすごいエンジニアの方も沢山いるのですが、自分のように一から勉強をしている人も沢山いて刺激になっています。サロンの中には本業とは別にアプリを作ってる人がいたり、転職活動の相談をしたりする人がいて、技術があれば色んな可能性が広がるなと感じました。そこで、自分もまずはアプリを作って「どうだ」と言いたいなと思うようになりました。そんな中でサロン内で教えてくれるという人が現れたので日々教えてもらっています。教えてもらう中で「そろそろアプリをリリースしたくないですか?」と聞かれたんですが、「作りたいものは特に無いです」と言ってしまい、厳し目に「それはアウトです」と言われてしまいました。これまで僕はUdemyと100 Days of SwiftUIで勉強していました。その中で学んだCoreDataとテキスト入力や画面遷移を使ってテキストを保存するようなアプリなら作れそうだと実感しました。そこで「タスク管理をするようなアプリを作ろうと思います」と講師の方と相談して「最初に作るアプリとしては良いと思います」とお墨付きをもらったので作り始めることにしました。Swiftを学び始めて50日目でアプリをリリースすることができたのですが、アプリの開発が始まってからは寝る間を惜しんで開発してましたね(笑)普通に平日は仕事もあるのですが、仕事が終わってから学習や開発をしていたのですが、ほとんど睡眠もしないまま仕事をすることもありました。

サロン内でプログラミングを教えてもらう中で気づけたこと

インタビュアー
そんな中でご自身の気づきになったことはありますか?
oka
プログラマーはひたすらコードを書いているというイメージだったんですが、それよりも調べ物をする時間がとても多いことに気づきました。また、オープンソースという文化がこの業界を発展させたんだなと感じました。自分が欲しい情報を探して取ってきてそれを噛み砕いて運用できるという、こういう勉強の仕方は初めてでした。これまではテストの点を取るためには記憶力が大事だったんですが、必要な情報を探してくるという能力は今後大事になるなと思いました。これまでも記事などで見てはいましたが、実体験として学ぶことができました。他にはリリースするまでの過程がとても大変だということですね。プライバシーポリシーを設置するためのホームページが必要だったり、beta版のXcodeではリリースできないことを知りました。他には英語が想像以上に大事だということですね。
インタビュアー
僕たちが学生に向けて「英語が大事だ」と言ってもなかなか学生には届かないと思うのですが、直接そう言った声を届けることができるのは教師という立場ならではですね
oka
教員の中でも実際に自分でプログラミングを勉強してアプリをリリースするという経験をする人は少ないと思いますが、こういう経験をすることで「英語が大事なんだぞ」と説得力を増すことができたと思います。

アプリについて

最初は爆速でメモが取れるアプリを作ろうと思っていました。ただ、CoreDataなどを学ぶ中で色んな機能が実装できることを知り、機能を増やしてタスク管理アプリを作ることにしました。今回作ったアプリはタスクを管理するということでタスクルという名前にしました。

ターゲットは社会人にして、仕事、生活、学習、プライベートのタスクを管理できるアプリにしました。学習の中で学んだものは全て投入するぐらいのつもりで、今できる集大成としてアプリを開発しました。
インタビュアー
開発する中で難しかったことはハマったことはありましたか?
oka
意外と無かったです。というのもこれまでに得た技術を活用してアプリを作ろうと思ったので、持っている技術を組み立てていくことでアプリという形に持っていくことができました。ただ、反省点としては開発をしていく中でハマったりすることで学んでいくこともできると思うので、次回は自分が本当に作りたいものを作って、その中で学んでいきたいと思っています。
インタビュアー
アイコンやUIのデザインはどうしたんですか?
oka
Affinity Designというツールを使ってiPadで作りました。元々PhotoshopやIllustratorなども使うことはしていたのでそこは苦ではありませんでした。
インタビュアー
意外とデザインも自分でできるエンジニアというのは貴重だと思いますよ
oka
あ、そうなんですね。自分ではそこは気にしてなかったのでいい気づきになりました。

今後について

インタビュアー
それでは最後に今後について教えてください
oka
CoreMLを使って機械学習を活用したアプリを作ったり、社会に対して役に立てるようなアプリが作れればと思っています。製造業の方々と話をする機会があって、まだまだ自動化できてないことが多いので、そういったところにアプローチしていくことも考えています。
 また、サロン内で知り合いになった方とチームを組んでSNS上で活動していくことを予定しています。お互いに作ったアプリを見せ合ってわいわいするようなものを公開していくことを考えています。
インタビュアー
それは楽しそうですね!本日はありがとうございました!
oka
ありがとうございました!

まとめ

50日という期間でアプリの開発を学びながら2週間という短い時間で爆速でアプリをリリースしたokaさんに話を聞いてみました。今は高校教諭というITとは全く違う職種で働く中で、ITの活用を模索しながら勉強を続ける姿に感銘を受けました。良かったらokaさんのnoteを読んだりTwitterをフォローしたりアプリをインストールしてみてください。
 この度初めてインタビューという形式で記事を書いてみました。もし、個人開発とかをしていて、何か話したいという人がいたらこういう形でインタビューさせていただければと思いますので、興味があればお声がけください!

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